ブロックチェーン活用法の基本形

21.購買ポイントの元帳をいちいち更新せず、ポイントをトークン化して独立して流通させ、必要な時に決済できます

銀行送金をまず想像しますと、どんなに少額の支払い、送金でも、その都度、銀行にある口座間で、帳簿の更新が行われます

ブロックチェーンでは、何らかの価値がコイン、トークンとして作れますので、購買ポイントは、コイン現物、金貨と同じように流通できます

このとき、トークンを支払いに使ったり、人にあげたりしても、元帳の勘定にいちいち記載しないで済みます

22.財産権(コイン、トークン)の種類、流通履歴を判定(例えば blacklistに照らして)、処理を違えることができます

ブロックチェーンの指示書(トランザクション)は、電子財布のような使いやすいプログラムによって電子署名をして、価値を移動できます

電子財布のところに、色々機能が追加できそうです。誰かから、価値を持ったトークンを受け取る前に、そのトークンの過去の流通履歴を芋づる式に調べて、ブラックリストに触れる流通履歴の送金部分は拒否する、通報する、という仕組みも作れそうです

23.見積もり、発注明細や部品表(BOM)のような複数階層構造のドキュメントを作れます

工業製品は、設計、製造にあたって、部品表を作ります。小さな部品を沢山組み込んでモジュールを作り、また、沢山のモジュールを積み上げて上位のモジュールを作る、というような階層構造になっています。こうした階層構造は、そのパーツそれぞれに、製造者・責任者であったり、取り付けた作業責任者であったりと、責任の階層構造をパラレルに収録するとも言えます。こうした部品表、Bill of Materialsをブロックチェーンで構成できます

ブロックチェーンで BOMを作ると、その納品(移動)履歴、修理の履歴などを、同じシステムで収録することができるので、製造後のサービスBOMなどを維持すれば、トレーサビリティやデジタルツインにも使えそうです

24.分散型スマートグリッド(電力網)の管理に使えます

EV(電気自動車)は、家に駐車して使用しない時にも常時、コンセントに繋いでおいて、電力網、グリッドに対するバッテリーとして、昼のピーク時に使用できると言われています

太陽光発電と充電施設、需要者としての住宅、EVの電池切れに対応する給電車など、沢山の電力ノードが繋がれて、需給のやり取りが行われる将来には、それに伴う支払と支払いの受領も必要です

多数の電源、多数の利用者がある時の需要と、供給余力をリアルタイムで把握し、マッチメイクして売買を成立させ、決済する仕組みをブロックチェーン上で重ねて構築できそうです

25.一つのチェーン内に作るトークン、コインを他のチェーンに流して使用する仕組みが作れます

ブロックチェーン技術を使ったCBDC(中銀デジタル通貨)について、二国間の中央銀行によるコインの相互流通の実験などは過去にありました

異なるブロックチェーン同士をつないで、コイン、トークン(トランザクション)を流し込んでいく技術は、以前から研究されています

一定の条件がスマートコントラクトで満たされれば、隣のチェーンにコインやトークンを流していく、そういう仕組みを作ることはできそうです

ページ: 1 2 3 4 5 6