5.服薬管理支援の薬箱(案)の紹介
この薬箱の狙い
薬やサプリを薬袋や薬びん、パッケージに入れたままで、服用状況を把握する薬箱(案)の紹介です(特許第5967792号)。この薬箱はまだ、商品化されておりませんので、商品化したい方はご相談ください
この薬箱の狙いは、これまでに掲げてきた以下の三点です
1.処方薬の服薬管理(服薬アドヒアランス)の支援
- 薬袋に入れたままなので、薬袋に書いてある処方の情報を読みながら服用することができます
- あらかじめ薬を小分けにする手間が省けます
- 旅行で袋ごと持ちだしたり、一時的に次の薬袋と重複しても、その状態を把握します
2.高齢者見守り
- ネットワークにつなげておけば、薬箱を利用していることが遠隔で分かります
- 離れてお住いの子供世帯からも、薬を飲んでいるか、というモニタリングは自然のように思います
3.OTC医薬品、栄養サプリメント、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品などの飲み忘れ防止
- 飲み忘れは売り上げの減少となりますが、それにアラートを出したり、啓蒙的なメッセージを伝えられます
- 薬の薬袋をそのまま入れて置けるように、OTC薬品を薬びんのまま、また、サプリやトクホもパッケージのまま置けます(冷やしたい場合は、冷蔵庫用にもう一つ必要です)
薬箱の特徴
蓋のない箱に、薬袋でもびんでも多数、バサッと入れておいて、重量の増減から、その状況を判断していくロジックを持った装置です(特許あり)。PTP包装のまま、散剤はその袋のまま、目薬でも鼻の噴霧剤でも大丈夫です
- 薬剤ごとに朝昼晩、食前食後、食間といった、服用時間を登録します。その時服用する薬が何か、その重量はどれほどかを登録すれば、より細かくモニタリングできます
- 服用予定の時間を過ぎて、重量が減っていないと、飲み忘れのアラームを出します。服用する薬とその重さを登録した場合、減ってはいるけど、予定ほどではない、というときに、一部のみ忘れのアラームが出せます
- 錠剤だけであれば、1錠当たりの標準重量は同じとみなしてもいいでしょう、しかし散剤やドリンクもある場合は、それぞれの1単位重量をセットしたほうが正確に測れます
薬箱の特徴 2
- 外出、旅行、出張などで、複数回の服用分(PTPの1シートなど)、あるいは薬袋や瓶を丸ごと取りだし、帰宅後に戻すことを、その大きな重量変動を感知して認識し、外出中の薬の使用量も把握します
- 旅行先で薬袋やPTPシートを飲み切って、廃棄した場合の重量変動も把握します
- 薬袋の次の処方があって一時的に薬袋が二つ、ダブるとき、OTC薬品やサプリも、瓶が一時的に二つになる時も、その大きな重量変動を認識し、空になったものを廃棄するときも、同じく大きな重量変動として認識します
機構の要約
【課題】 複数の薬袋を入れる薬箱の重量の時系列変動をもとに薬の飲み忘れを検知する。
【解決手段】 薬袋服用管理装置200は、重量センサー201による薬箱の重量変動と時計202によるタイムスタンプを受信する変動判断部209と、食事・服用時登録部205と、患者ID・薬服用単位登録部206と、判断基準登録部207に基づき薬の飲み忘れ又は一部飲み忘れがあるか否かを判断し、薬の飲み忘れ又は一部飲み忘れがあると判断された場合にそのメッセージを患者に伝達する情報伝達装置300を備える。
より詳細に把握し、オンラインでモニタリング
薬剤を判別する情報と、処方の情報を登録します。薬箱と、本部の管理データベースをオンラインでつないで、長期時系列の服用状況を、医療者や介護者、また高齢の親御さんを心配する子世帯に提供できます。長期時系列が多数、長期に集まれば、製薬会社などにフィードバックする価値も生まれそうです
- 薬剤それぞれの一回当たりの服用重量を登録しておくと、一部のみ忘れも判別できます。これには少しハードルがあり、いくつかの案が考えられます
- 処方薬であれば、薬袋に表記される服用情報を、処方薬局から患者ごとオンライン提供していただくか、薬袋にコードプリントして、スマホなどのカメラ、光学センサーを用いて読み取り送信する
- OTC、サプリは、大人なら誰でも同じ、標準的な用量が決められているので、商品のJANコード入力ないしはスマホのカメラ、光学センサーで読み取る
- 利用者が自分で手入力する(例えば、薬箱とスマホを連携してスマホから入力。リストバンドの活動量計のような仕組み。)または、介護、見守りサービス者が代行して手入力する
- データがとれれば、長期時系列で服用履歴はもとより、その人の食事時間などの生活パターンなどもある程度わかり、医療者や介護者などが見れば、どのように服用してどのように効果があったか、薬の血中濃度の推移などが推定でき、次の診断や行動に生かせます
おわりに
冒頭にも述べました通り、後段は当方のアイデアである服薬管理支援システムの紹介となりましたことをご容赦ください
- ブロックチェーンは、Peer to Peer, 1 on 1 の契約書であり、証明書、指示書としても使えて、流通もできる、いわば契約書のデータベースです
- ブロックチェーンの証書(トランザクション)に、IDが埋め込まれると、何らかの権利書の流通に使えますし、個人情報を参照する権利、とすれば、本人が許可した時だけ個人情報が次に移動できるような仕組みも作れます
- 医師の診察所見データをブロックチェーン上に署名入りで記録して、CROやその他の研究者、データ分析者に受け渡していけば、途中で改ざんすることができません。例えば、治験データの改ざんリスクを防ぐこともできるでしょう。こうしたブロックチェーン活用による治験向けのソリューションも上市されているようですから、検索してみてください
- ブロックチェーンの証書や指図書としての特徴が、仮想通貨だけを見ていると想像できない、ブロックチェーンの一般産業向けの活用の可能性を示しています
当方では、ほかにも、産業活用向けコンテンツを掲示しております。また、コンテンツは増やしていきますので、時折、ウェブページ上をご参照ください
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